ー新しい時代の胎動ー　いだきしんピアノインプロヴィゼーション

1988年7月30日　音楽の友ホールにおけるライブ・レコーディング
(1989年リリース)

いだきしんメッセージ

高句麗は、西暦668年に亡ぶまでの約800年間繁栄した国です。 私は、この高句麗の歴史を「生体感応」によって、ピアノで即興演奏 しました。 　初代の王、朱蒙(のちに東明王と云われました)の生まれた、光に　満ちた背景、戦い、一貫してアジアの強国として栄光を放ち、いまだに語りつくせぬ文化、すぐれた高句麗人の気質等が私の身体を通り、指の先から鍵盤に伝わり、音になって表現されてゆきました。現代人である我々が、今、どうしても取り戻さなければならない、人間としての魂を伝えていると思います。そういう意味では高句麗という国は亡ぼされてはいけなかったのですが…。 　この激動の時代、たった一度きりの我々一人一人の人生の大切な「糧」を高句麗の歴史は伝えていると思います。


高麗恵子メッセージ

1988年7月30日、「高句麗」をテーマとし演奏されたコンサートライヴです。
私は、鹿児島にて、日本縦断「高句麗壁画展」を偶然見たのです。四神図のコーナーに入った時、神に出会った衝撃で身じろぎもせず、壁画に見入ってしまいました。あまりの神々しさ、美しさに魅せられました。再び、「高句麗」が蘇り、私の内に火が灯ってきました。 若光王との出会い以来の出来事でした。そして、いだきしん先生が高句麗の歴史を表現する　コンサートを開いて下さったのです。勇猛果敢な闘う姿、息もつかず向かっていく勢いを表現するピアノの音は、もはやピアノの音ではありません。ピアノの音とは信じがたい音です。　ラジカセでは再生しきれないたくさんの音が入っています。この部分は、何があっても向かっていくエネルギーに満ちており、まがいものを排除し、闘っていく力と感じ、体が熱くなります。
　私は、IDAKIを始めた頃、人の苦しみを受け、倒れる事が多かったのですが、「高句麗」のCDが出来てから、何処へ行くにも持ち歩き聞いていますと、私に襲ってくる　エネルギーに負けない自分になるのです。そして、悪いものは吹き飛ばす勢いがありますので、空間、場がきれいになります。日本でも、初めての地へ行く時、海外へ行く時、必ずこのCDをかけ、空間を整理していました。又、いたずら電話に悩まされていた頃、電話口にてこの　CDをかけると、一切いたずら電話がかかってこなくなり助かりました。悪いものを撃退する時、困難を打ち破る時、とても心強いのです。交通渋滞の時は、不思議と道が空いてくるの　です。今でも、車の中に入れ、「高句麗伝説」と交代で聞いています。
　あまりの勢いあふれる音に、CDが出来た当初は、多くの人は、恐いと言い、あまり好まれませんでした。「IDAKIでする事は10年先取りしているから、あと10年経ったら必ず必要になる」と時を作りながら待ち、見事に10年後には売り切れとなり、多くの人の要望により再版したのです。他のCDは、売り切れたと言えば済んでしまうのですが、「高句麗」　だけは、売り切れましたと言いましても、どうしても作って下さい、と何度も頼まれ、再版することにしました。
　ジャケットの写真は、あの有名な四神図の「青龍」です。今は世界遺産に認定されました。当時、朝鮮大学の先生が、「高句麗」のコンサートに来て下さいました。自己紹介せずとも、先生は一目で遠目からでも、私が高句麗王の子孫とすぐわかったとおっしゃり、大変感激され、「青龍」をジャケットに使用する事を許可下さいました。 　いだきしん先生も、「2度とあの真似は出来ない。あの時だけ弾けたもの」とおっしゃる　驚きの音です。
　これからの時代を切り開く上で、何をも恐れず生きていける大きな力です。