いだきしんコンサート「It's About Time」


1994年12月22日、アメリカ合衆国ニューヨーク市にあるリバーサイドチャーチにてパイプオルガンの演奏と、 23日、カーネギーホールにてチャリティーコンサートを開催。
コンサートの収益金は、エイズに胎内感染し生まれた子供達のために活動している ニューヨークの団体"Hale House"に寄付されました。
生命の根源である「愛」を出発点とすることではじめて、愛によって生まれ、愛によって育まれるべき子供たちを救うことが出来るということを経験する場となりました


  • 出演:いだきしん
  • 日時:1994年12月22日(ニューヨーク、リバーサイドチャーチ)
    12月23日(カーネギーホール)
  • 主催:S.T.6 "The Bridge" 実行委員会/実行委員長:高麗恵子
いだきしんコンサート 「It's About Time」主旨書

"It's About Time"


今、人類は歴史始まって以来経験した事のない、未曾有の大きな危機に直面しております。
周囲に目を向ければ、オゾン層・森林など、人類の生命を育み続けて来た地球環境が大きく壊滅的に破壊されようとしています。私たち人間自身においても、個々人がそれぞれ程度の差異こそあれ、精神的・肉体的に多くの問題を抱え、それらと戦いながら日々の生活を送っていますが、それらの問題が深刻さの度合いを日毎に増しつつあります。
一言で言うなら、人類を含むこの地球上のあらゆる生命体、その総ての存在が「破滅・破局」といったこれまでの歴史上になかった深刻な危機的状況に直面しております。
その中で今、人類が人種・年齢・性別・宗教および国家の垣根を飛び越えて、最も真剣に総力を上げて取り組まなければならない最重要課題の一つとして「エイズ」問題があります。発見されてから過去十数年の間に、この現代の疫病は瞬く間に全世界に拡がり、幾多もの尊い生命を奪って来ました。国連の世界保健機構(WHO)は世界のエイズ患者数は400万人に達したと発表を行いました。発病していない感染者数を含めると、その数は1千7百万人にもおよび、その勢いは止まるところを知らず、今世紀末までには全世界でのHIV感染者数は3千万人から4千万人にも達し、その内1千万人以上を日本を含めたアジア人が占めるという予測が出されております。
今や、エイズ問題は国籍・人種・年齢・性別の違いを越えて人類が共通して抱える最重要課題となってしまいました。
とりわけて、過去と現在から未来への歴史の架け橋ともいうべき、人類の新しい未来の創造の担い手である幼い子供たちの数多くの貴重な生命が胎内感染などによりエイズの痛ましい犠牲となっております。本来、「愛」によって誕生し、「愛」によって育まれるべき多くの新しい生命がエイズに蝕まれております。この幼い生命を、この子供たちの生命を、愛をもって救わなければなりません。今、エイズという生命の課題に人類が取り組む際に、生命の根源たる生命原理の「愛」にたち返らなければ根本的な解決を見出す事は出来ないと言えましょう。「愛」によってうまれた生命の問題は「愛」をもってのみ解決が可能となります。医学・科学の力にのみ頼ったとしても充分ではありません。愛を出発点としたこの子供たち、将来生まれる子供たちも含めて「未来」を救おうという人類全体の一致した意識・願いの中から根本的な解決がもたらされることでしょう。子供たちを救うという行為は人類の未来の救済と言っても決して過言ではありません。
私たちは斎藤忠光氏のこれまでの多くの演奏活動を通じ、斎藤氏の奏でるピアノ・シンセサイザーのメロディーにたくさんの個々人の心と体が、その愛の波動に触れ呼応し、心身の深い感動のうちに新しいエネルギーが蘇生し生命に注がれる姿を目にしてきました。
いかなる時も愛し続け希望を持ち続けた人々に、ようやく愛と希望に満ちた時がきました。長い間の人類の悲願がはじまります。
世界の縮図ともいえるこの国際都市ニューヨークにおきまして、たくさんの子供たちを含む多くのエイズに苦しむ人々の住むこの都市での斎藤忠光氏の愛のコンサートは必ずや多くの人々に新たなる愛と感動をもたらし、エイズ問題への根本的解決の確固たる布石となる事でしょう。