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いだきしんコンサート at ラフォーレミュージアム六本木

ヴィンテージ機材と最新機材の融合で心身を豊かにする音作り


 世界各国で数多くのコンサートを繰り広げている、いだきしん。その日本でのコンサートが11月29日、ラフォーレミュージアム六本木にて行われた。このコンサートでは、ヴィンテージ機材と最新機材の融合で心身を豊かにする独自のシステム作りがされていた。そこで、モニター・エンジニアを務めた磯野順一氏(Nal)に、その音作りについて伺った。

心身を豊かにする機材

プロサウンド(以下、PS)  このコンサートに使われている機材は、特注、あるいはすべて改造されているのですか。
磯野 いだきしんさんの音楽は、生命の音を表現するもので内面から人間を豊かにする音楽ということで、そのために氏のコンサートを開催しているNPOKOMAとの共同開発で、独自の機材を開発したり、世界中から集積した機材を検討し手を加えています。表面的には音が良いものはいっぱいあると思いますが、何か音の枠を作って詰まった感じとか限界の感じがするのは無くしていって、内面に響くピュアでストレートな表現ができる機材を組んでいます。ヴィンテージの中でも国家事業として開発された頃の機材には商業ベースでは開発不可能なすごさがありますから、それと新しい技術を融合させて独自にシステム作りをしているわけです。
PS 開発されたものもあるわけですか。
磯野 メインのスピーカーは「Taguchi TD1524」×2と「LW1801」×2で、このスピーカーは いだきしんさんのために私たちが開発したシステムです。これは2003年にアフリカのタンザニアでアフリカ首脳サミットがあった時の平和イベントの時にデビューさせたものです。その時はラインアレイにしてフライングした状態でしたけれど・・・。ユニット自体も自分たちで開発したり、2インチのドライバーには磁性流体を入れたりとかダンピングを良くするための加工もしています。負荷が重たくなく本当に軽く音が出てきます。またチャンネル・ディバイダーはじめバッファーアンプなどは100%オリジナルです。
PS 機材の主な改造というのは、どの辺ですか。
磯野 内部配線材を全部「BJ Electric」製のPCOCCケーブルに換えているのと、オリジナル電源の搭載やコンデンサー、抵抗などを変更したりしています。音響は小さなものがいっぱいつながってひとつのものを作り上げているので、ひとつでもレベルが低いパーツがあるとはっきりと影響されます。ピュアな表現のために小さな積み重ねを非常に大事にしているということなんです。
PS パワーアンプも改造されていますか。
磯野 モニターアンプはオリジナルのプロトタイプです。メインのスピーカーのパワーアンプは「Martin Audio MA4.2s」 ですが、これも内部の配線材は特注で全部PCOCCにしています。
PS マイク・ケーブルもPCOCCですか。
磯野 マルチ・ケーブルもスピーカー・ケーブルも中のライン・ケーブルも全部私たちのシステム・エンジニアリングをしている「BJ Electric」のスペシャル品です。あと各機器の電源ケーブルもすべて同じです。このスピーカー・ケーブルはすべてにおいて癖が無く、スピード感も非常にあって、解像度も高くていろんなケーブルをチェックしましたけれど、ここのケーブルが一番素晴らしかったですね。
PS キーボードの接続はどのようにしていますか。
磯野 シンセサイザーがけっこう台数がありますので、各ブロックに分けて一度「BOZAK」のミキサーに入れて、それを「BJ Electric」のライン・アンプでバランスに変換してからPA用コンソールへ渡しています。これも中身は全部改造されていまして、コンデンサー類、抵抗、ヴォリュームですとかケーブル関係、配線材を全部特別なものに変更しています。
PS 電源はどのようにしていますか。
磯野 シンセサイザー関係の電源には、すべて「Sinano」を使っています。ライブでのノイズ対策でクリーンな電源を作っています。
PS 変わったアンプもありますね。
磯野 これは「Western Electric」のマイク・プリアンプですね。やはり「Western」のコンプレッサーと組み合わせてNPO KOMA代表の高麗恵子さんの声に使っています。
PS コンソールは3台ありますが、どのように使い分けていますか。
磯野 メインに「STUDER 169」 ×2台と、マルチトラックの送出系に「TASCAM DM-24」を使っています。「DA-98HR」をデジタルで「DM-24」に伝送してから「APOGEE」のDAコンバーターに入れてアナログに変換して「STUDER」に入れています。「STUDER」は各キーボードセクションと、太鼓やヴォーカルとかアコースティック系のものと分けて使っています。こちらもすべての内部配線材とコンデンサー、電源を換えています。
PS 「DM-24」のソースは何が入っているのですか?
磯野 映像とシンクロしているんですね。ベースとドラムなどが入っています。それに合わせて即興的に いだきしんさんが重ねていくという形です。
PS このマイクも変わっていますね。
磯野 このマイクはすごいですよ。「Western Electric」のヴィンテージ・マイク「47C」にオリジナル電源を付けたものです。今回はステージ上に置いて空間のエネルギーを作り出しています。
PS 他の楽器も一度別のミキサーを通しているわけですか。
磯野 太鼓と笛などは、「Western Electric 22D」というミキサーで拾っています。
PS これからもどんどん改造されていくわけですか。
磯野 新しいトータルな音作りのためにすべての機材をオリジナル開発することを目指しています。改造機材の使用はその過程に過ぎません。いだきしんさんは最近は人間の声に近い生楽器を多用しています。今年は海外のコンサートがまたいくつかありまして、そのためにさらにいろいろと研究を進めています。それから、いだきしんさんは心身を豊かにし覚醒する音作りを目指していますから、それを家庭でも体感できるような小型のオーディオ・システムの発売も「Idaki Shin」ブランドで開始しました。一度聴いてみて下さい。

 


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