天才が聞く絵本(CD付き)
原作、朗読:高麗恵子
音楽:いだきしん(斎藤忠光)
絵:きしもとみつこ
発売元:株式会社いだき(1992年発売)
私は、咄嗟的に、生命の内から生まれる言葉を詩にすることがあります。生まれるままに言葉に表し、自分でもどの様な展開になるのかわかりませんが、導かれるように光の世界に向かうのです。「8にんのてんにょ」は、こうして生まれた詩です。
私は、いだきしん先生に出会ってから生命の音である本音を表現することで、健康で生きられ、生きる姿勢も方向もはっきりと決まりました。声は、生命の音です。ある時、作った声を出す自分に耐えられなくなり、生命の声をそのまま表現する様心がけ始めました。私の声は、声が響くと言われ、アナウンサーの様な声が聞き取りやすいという方々からは、聞き取りにくいと言われる事がよくあり、「8にんのてんにょ」のレコーディングは大変苦労しました。要望に応えようとしたからです。最終的には、子供達の生きていける社会、地球環境を作りたい本音に従い、生命の声を素直に表現しました。幼稚園や施設等でこのCDを流す様になり、私は自分の決断が正しかったことを子供達が教えてくれ、ほっとしました。子供達は、私の声がよく聞こえると言っているのです。そして、一人一人が自分で8人の天女の絵を描く様になったのです。ある自閉症の子供を預かる施設の先生が喜んで話して下さいました。「黒い絵の具しか描かなかった子供が、このCDを聞いてから色々な色を使うようになったんです。そして、自閉症が治ったんですよ」と…。私は嬉しくて嬉しくて、共に喜びました。
その後、いだきしん先生のコンサート開催地にて、幼稚園を回り、「8にんのてんにょ」のCDを聞きながら絵を描く会を催すことになりました。ある幼稚園で先生が私に話しました。「空は青いのに、ピンクで描く子もいるんですよ」私は、ピンクで空を描く子の気持ちがわかり、思わず、先生に「夕焼け空はピンクに見えたり、光の加減で紫や、色々な色に見えるので、この子にはピンクに見えたのではないですか。空は青いものと決めつけて絵を描くより、自由に描いていくと楽しいと思います」と話しましたら、先生も笑って「そうね。私も子供の頃そうだったわ。いつの間にか、空は青いものと決めつける様になっちゃって…」と話すうちに涙ぐみはじめたのです。先生と一緒に子供達が描いた絵を見せて頂き、とっても楽しかったです。一枚一枚の絵がピカピカ光っていたのです。先生は、「このCDをかける時は、子供の様子が全然違うの。それぞれが自由に表現するの」と喜びました。又、ある先生は、私の詩が子供達には難しすぎてわからないと懸念した時、私は「音ですから、何か感じますよ。大丈夫です。意外にわからないと思っているのは大人の方で、大人がわかったと思う状態と違うだけかも知れませんし」と話し、CDをかけて頂きました。後日、先生から喜んで報告がありました。「わからないと思っているのは私の方でした。一回しかかけなかったのに、子供達は『8にんのてんにょ』を声を出して読み始めたのです。覚えてしまったのです。驚いた。子供は一回聞くと覚えていくんですね」と感心していました。
様々な経験をさせて戴きました。様々なケースを取り上げ、ある幼稚園の園長先生に話し、園生全員の8人の天女の会を開いて頂いた時、園長先生は、生徒に「この音楽を聞いて自由に絵を描きなさい」と大声で何度も話し始め、「空は青いものと決めて描かなくてもいいんだよ。自由に描けばいいんだよ」と音楽を聞く間がない程、繰り返し話しているのです。私は、見かねて、そっと園長先生に、「先生、自由に描けばいいと何度も話すのも、空は青いと決めて描くのと同じことになってしまいますよ」と笑いながら耳打ちした時、園長先生もクスッと笑って、頭をかいて口を閉じました。大人である私達にたくさんの事を教えてくれます。
CDは、いだきしん先生のピアノ演奏が収録されています。海に太陽の光が注がれ、水面がキラキラ輝く様な一音一音です。繊細で、神経の細かい所まで染みいる様な、清らかで美しいピアノの音。光の球が空間に舞う様です。大人が忘れてしまった子供の頃の繊細で純粋な世界と感じました。やわらかい子供の頃の感覚が呼び起こされます。
絵本は、松江にて当時幼稚園の園長先生をされていた きしもとみつこさんが描いて下さいました。初めての松江プラバホールでの いだきしん先生のコンサートの時に出会った方です。コンサート前の私の講演会にお越し頂いた時、講演前に会場のロビーにおられたお姿を見たのが私にとって最初の出会いでした。と言いましても面識がなく、言葉を交わすこともない出会いでしたが、私は「出会い」を感じたのです。宍道湖にうつる夕陽と秋風と共に、この出会いは今も心にあります。
出産祝いや退社する女性に必ずプレゼントして下さる方もいらっしゃいます。又、大人の男性が秘かに聞いている事も知っています。小学校や中学校の授業中に「8にんのてんにょ」を聞いて、生徒が 感想文を書くことを行って下さる先生方もいらっしゃいます。子供達は皆、天才と感じる感想文ばかりです。是非、皆様で楽しんで頂きたいと望んでいます。
高麗恵子
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